にっきー
今日は、モーニングがお得すぎることで有名な「コメダ珈琲」よりお送りいたします。
写真を見てお気づきかもしれませんが、コメダ“珈琲”なのに紅茶を頼んでしまいました。
この「珈琲屋さんで紅茶を頼む」ことは、一見当たり前のことですが、世の中にはこれが当たり前でない人もいることでしょう。
以前、にっきーがブラック企業に勤めていたときは、一人でというよりは会社の人と飲食店に行くことのほうが多く、注文も上司に合わせるようにしていました。(まぁ土日も休みなく勤務していたらどうしても会社の人との食事が増えます。)
飲みたくなくてもブラックコーヒーにしたり、付き合いでビールを飲んだり…。自分の好きなものを注文しようものなら「このお店でそれを頼むなんてセンスがない」とか、「あーあ、分かってないな」とか、そんなところまで拾い上げて否定をされていました。
今は、ブラック企業にサヨナラしたので、自分の頼みたいものを頼みます!
「頼みたいものを頼む」なんて当たり前のことですら、自分を否定をされ続けるといつの間にかできなくなってしまいます。気づかないうちに、飲食店ですら好きなものを選べない精神状態になるわけです。
もし今のあなたが、飲食店で上司の顔色を伺いながら注文しているのなら、このブログがその状況から抜け出す方法のヒントになるかもしれません。
後輩ができない職場
私はブラック企業時代、2年間後輩ができませんでした。
半年ごとくらいのペースで新規採用の大卒生が入社してきますが、早くて1ヶ月(1週間という人もいました)、粘っても3ヶ月くらいで辞めていきました。
当時の一番下っ端だった私は、基本的なこと(掃除の仕方や社内のルール、先輩との接し方や来客時のお茶出しなど)を新人くんに一つ一つ教えるのですが、少ししたらいなくなるので、「せっかく教え終わったのに、また私が一番下に戻った…」ということを繰り返していました。
ちなみにこの指導している間は、私が新入社員に何かを教えていると、先輩がなぜかわざわざ定期的に私を呼び出して「偉そうだ」と文句を言ってきます。(後輩はこの、“親切にしてくれる先輩が理不尽に怒られている図”も嫌だったそうです。)数年後の、後輩ができた自分を想像しても明るいビジョンが描けないのだから、まぁ辞めていくよなぁと思いました。
こんな様子を見せていながら、なぜ新人が辞めていくのかが理解できない先輩達は、辞める人を「根性がない」「会社を批判するなんてありえない」とさらに追い込んでいました。
おそらく、これを読んだ多くの人は「先輩たちが怒っているポイントが分からない」のではないでしょうか。私も最初は先輩に怒られながら「何が気に入らないのか」がどう考えても論理的に説明できないように思えて、「理不尽だな〜」と思っていました。でも、ある時からその「理不尽」に、彼らなりの論理(理由)があることに気付きました。
怒っている理由はただの「理不尽」だった
先輩が私のことを呼び出し、怒っていた理由は、私のためではありませんでした。もちろん、会社の成長にも繋がらない理由でした。
その理由というのは、「誰かを注意してるところをアピールすれば、先輩らしく仕事や後輩教育をしているように見せることができる」ということでした。
わざわざ上司の前で後輩を呼びつけて怒っている理由は、なんともくだらないことだったのです。
にっきー
先輩と2人だけのときは、仕事をしながらラジオのことやニュースのことを雑談していました。上司がいない日は案外平和だな〜と感じたのです。
そして、「上司がいる前でしかこの先輩は怒っていない」ということが分かってしまいました。やっぱり、怒っていることには何も、根拠や論理的な理由はなかったのです。
もし、私が怒られる理由を無理やり挙げるとしたら、先輩たちも怒られるのが恐い、ということでしょう。「こうやって後輩を怒っていなければ、次は自分が理不尽に怒られるかもしれない」ということが、行動の理由でした。怒ることの目的が、教育ではなく「怒ること」なので、何が気に触るのかが全く読めまないのも当然でした。(笑)
そんな彼らにとって、一番怒りやすいのが「後輩が自ら考えて行ったこと」です。これを怒るのって、とても簡単なんです。「勝手な判断をするな」「勝手に行動するな」「言われたこと以外をするな」と言えばいいだけですから。
一方、怒られる側は大変です。
工夫したり自分なりに考えてやったりすると否定されるので、自ら考えて行動することが馬鹿らしくなってきます。
自分で発想したこと・選択したことを否定される。これは、なにも能動的に選択したくなくなってしまうには十分すぎる出来事でした。自ら提案し行動するところを評価されて雇われた私でしたが、だんだんと、なるべく与えられたことだけをやっていこうという精神状態に変わっていきました。
「自分で決める」成功体験の少なさ
言われたことだけを実行する体験を繰り返してしまうと、自分で何かを選択したり考えたりすることでの成功体験が、失敗体験より圧倒的に少なくなります。
自分で決めること = つまらない、失敗する
と、無意識のうちに脳が経験値から判断して、自分の意思を持つことにブレーキをかけてしまうようになります。
こうして、飲食店でメニューを決めることひとつですら、同席者の顔色を伺い、失敗でないものを探すことが必要な、ものすごくストレスのかかる行為になってしまうのです。今、飲食店でメニューを選ぶのにものすごく時間がかかる人は、度合いは違えども“相手の反応を気にしすぎている”可能性があります。
ブラック企業では変われない
私がこの心理的ブロックを外せたのは、転職してからでした。
ブラック企業にいる間は、自分の中で自分に対する評価がものすごく低いので「こんなに仕事ができない自分が辞めるなんてことは言ってはならない」と、割と本気で思っていました。
自分の正直な気持ちを言わないことが習慣のように染み付いていたので、「辞めたい」という言葉すら、なかなか口にできませんでした。
辞めたいなんて言ったら、どんなに罵倒されるか分からない。「自分勝手だ」「自分が原因なのに会社のせいにしているだけだ」と言われるに違いない。言われることが予測できるから、言うだけ無駄だ。
これが、当時の私の心理状態です。
自己肯定感の低いままブラック企業に務め続けていると、どんどん「辞めたい」ということすら言えなくなっていきます。そして、「逃げようもないし、そもそも自分が悪い」と思い詰めすぎてしまうと、“最悪の選択”をとることになってしまいかねません。
今、この記事を見ている人に、にっきーからのアドバイス。
にっきー
自分に価値がないと思っているとしたら、転職の準備を始めてから辞めるまでは3ヶ月くらいかかります。第三者目線で納得できる辞める理由を見つけるまで、言い出せないからです。
辞めた先にある世界
私は「もうこの会社辞めたい」から「辞める」に気持ちを切り替えるまで1年近くかかりました。小さな違いに見えますが、辞めたいと辞めるは、決意が全然違います。
言い出すのも時間がかかり、言ったときも罵声を浴びせられました。しばらくは嫌味のLINEも届いていました。
それでも今、心から「変われてよかった」と思えています。
どうしても出勤したくなければ休める、というのが今の職場です。「誰かがフォローするからなんとかなる!」「その分、何か助けてほしいときに助けてもらうわ〜!(笑)」と言ってくれる人がいます。クレーマーの対処で困っていたら「よし!後はこっちで対応するから帰りな!」と、逃げることを許してくれる先輩もいます。
悩みを一人で抱えているよりも、共有したらフォローしてもらえて早期解決できという経験を重ねたので、弱みを見せられるようになりました。
そして、「どうしても嫌なら、また転職すればいい」と心の中で思っているので、常に精神的な逃げ道があります。一度転職を経験できたことで、自分が潰れてしまう前に逃げるやり方を身に着けられました。
世間では無理なことから「逃げる」ということを、悪いこととしてしまいがちです。しかし、無理なことに向かいすぎていると、精神的に追い詰められて、逃げ道をなくします。自分がどう頑張ってもできないことや、どうしても嫌なことであっても、一方ではそれがとっても簡単で、むしろやりたいと思う人もいるものです。
つまり、あなたが「これくらいのことなら簡単だし、できる」と思っていることは、誰かにとってはものすごく難しいことである可能性も、十分あります。
これくらいの気持ちで構えている・・・適材適所思考でいてこそ、仕事は気持ちよくまわるのではないでしょうか。それそれが特技を生かして、それを感謝し合う今の職場は、とても過ごしやすいです。
「今の職場が苦しかったら逃げる。」これは悪いことではありません。新しい自分が活躍しやすいところで、世の中に貢献できればいいではないですか!
にっきー
前の職場で言われた「お前はどこに行っても失敗する」「嫌われる存在になる」という、呪いのような言葉も、今では効力をなくしたようです。
まとめ
喫茶店で好きなものを頼むということが、どれほど自由な思考の上に成り立つ行為か、お分かりいただけたでしょうか。
自分に合わない場所で苦労し続けることは、とても苦しいです。会社の人といるときに「自分が好きなものを着て、好きなものを食べる」ということができないのならそこは、ちょっと無理している環境かもしれません。
自分が「簡単だな」と感じていることは実は特技で、誰かにとっては苦手なことかもしれない。そんな考え方で、自分の仕事を見つめ直してみてください。
にっきー